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02 . May
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10 . July
 地域の『宝物』とは?

 前回は、地域づくりの出発点となる、地域の個性を知ることの重要性について述べました。今回は、地域の個性を形づくる『宝物』の探し方と活かし方について、より詳しく見ていきたいと思います。

 ここでいう『宝物』とは、一般に地域資源と言われるものです。例えば、由布院でいえば、由布岳の麓に広がる素晴らしい自然景観、のどかな農村景観、心も身体も癒される温泉、豊後牛や地元産の新鮮な野菜などの特産物が頭に浮かびます。

 けれども、これらの『宝物』の名前を挙げただけでは、地域づくりには結びつきません。大切なことは、それらの自然景観や農村景観、街並み、特産物、温泉といった『宝物』を、日々維持し、再生産している主体を、できるだけたくさんの仲間で発見しあうということです。その主体は、個人経営や民間企業、農家、共同組合、NPO、地方自治体であり、最終的にはそれらを担っている一人ひとりの人間であると言えます。

 このような主体が、日々、工夫しながらこだわりの一品を作ったり、ユニークなサービスを開発したり、あるいは共同で地域の景観を守るとりくみをおこなったり、さらには自治体とともに乱開発から自然景観を守る条例を制定、運用したり、あるいは自治体が独自の産業支援政策を展開したりして、それぞれの地域社会が、個性をもちながら存続しているのです。

 さらに地域のなかには、他の地域から移ってきた『よそ者』と言われる人たちも多く存在しています。「2007年問題」という言葉がありますが、団塊の世代がまとまって退職し、地域での活躍が期待できる有能、有為な人々が、今後増えていきます。潜在的な『宝物』をもった彼ら、彼女らの存在も、新たな地域づくりの主体として大いに期待できます。

 けれども、私たちは、日常生活に追われているため、地域の『宝物』とつくり出している事業所や農家、人々についてはほとんど知らないか、友達つきあいや取引関係のつながりを通して断片的に知っているにすぎません。まさに『灯台下暗し』の状況です。

次回・・・「宝物」探しの技法 交流と学習
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18 . July
『宝物』探しの技法 交流と学習(1)

 では、どのように足元の地域で、『宝物』を生み、それを育んでいる団体や経営、個人を探したらいいのでしょうか。

 由布院の場合は、震災をはじめとしたさまざまな危機に直面した旅館の若手経営者が自主的に集まった有志の会で、交流し、学びあったところから、地域の『宝物』を発見し、それをつなぎあうとりくみが開始されました。
 このように、地域づくりの必要性を自覚した人たちが交流し、お互いに情報交換し、仲間をふやしながら、学びあうことが、まず必要だといえます。
 いま、日本中の地域が経済的にも社会的にも疲弊した状態にあります。絶好調の景気のなかにあると言われている東京でも、それは大企業の本社があつまる都心部のことであり、下町や郊外では格差が広がり、貧困化がすすんでいます。そういう意味では、全国のどこでも、地域の持続的発展が危機的状況に置かれていると言えます。したがって、住民の生活と住みよい地域環境を再生するというこは、圧倒的多くの住民の共通の思いではないでしょうか。
 
 そのなかで、まず、できるところから仲間が集まり、仕事の話、地域の話を交流することが大切です。これは、民商の定期的な会議で行えることですし、他の団体との協同組織のなかでもできることです。最近、商工交流会のなかで個別の会員の仕事の紹介や展示等が盛んにおこなわれていますが、実は、このようなとりくみも、「宝物」探しのひとつの技法であるといえます。 民商の場合、会員ははじめから地域経済の担い手である中小経営者です。したがって、そこで情報交換を通して、自分たちの仲間が、どのようなこだわりをもち、いかなる工夫をし、仕事や商売をしているのかを知ることができます。また、それによって自分の経営を見直したり、さらに、お互いの仕事をつないで、異業種交流をおこなうことにも発展していったりする可能性もたくさん存在します。 
 
 さらに、地域にある他の団体との協同のとりくみも重要です。商店街組合や各種商工団体、あるいは労働組合やNPO、農民団体との交流をすることで、それぞれの地域で工夫しながら頑張っている人々とのつながりができ、よりいっそう地域の「宝物」が見えてくることになります。

次回・・『宝物』探しの技法 交流と学習(2)
25 . July
「宝物」探しの技法 交流と学習

 では、どのように足元の地域で、「宝物」を生み、それを育んでいる団体や経営、個人を探したらいいのでしょうか。

 由布院の場合は、震災をはじめとしたさまざまな危機に直面した旅館の若手経営者が、自主的に集まった融資の会で交流し学びあったところから、地域の「宝物」を発見し、それをつなぎあうとりくみみが開始されました。
 
 このように、地域づくりの必要性を自覚した人たちが交流し、仲間を増やしながら学びあうことが、まず必要だと言えます。
 
 いま、日本中の地域が経済的にも社会的にも疲弊した状態にあります。絶好調の景気のなかにあると言われている東京でも、それは大企業の本社が集まる都心部のことであり、下町や郊外では格差が広がり、貧困化がすすんでいます。そういう意味では、全国のどこでも、地域の持続的発展が危機的状況におかれていると言えます。したがって、住民の住みよい地域環境を再生するということは、圧倒的多くの住民の共通の思いではないでしょうか。

 そのなかでまず、できるところから仲間が集まり、仕事の話、地域の話を交流することが大切です。これは、民商の定期的な会議でおこなえることですし、他の団体との協同組織の中でも出来ることです。最近、商工交流会のなかで個別の会員の仕事の紹介や展示等が盛んにおこなわれていますが、実は、このような取り組みも、「宝物」探しのひとつの技法であると言えます。民商の場合、会員ははじめから地域社会の担い手である中小経営者です。したがって、そこでの情報交換を通して、自分たちの仲間が、どのようなこだわりをもち、いかなる工夫をし、仕事や商売をしているのかを知ることができます。また、それによって、自分の経営を見直したり、さらに、お互いの仕事をつないで、異業種交流を行うことにも発展していったりする可能性もたくさん存在します。

 さらに、地域にある他の団体との協同のとりくも重要です。商店街組合や各種商工団体、あるいは労働組合やNPO、農民団体との交流をすることで、それぞれの地域で工夫をしながら頑張っている人々とのつながりができ、よりいっそう地域の「宝物」が見えてくることになります。

 次回・・・宮津・与謝地域のまちづくり
05 . August

 宮津・与謝地域のまちづくり

 先日、天橋立のある京都府北部の宮津・与謝地域でまちづくりにとりくんでいる民商や労働組合などの皆さんが協同で開催した「まちづくりシンポジウム」に参加してきました。そこには、民商の皆さんだけでなく、産直で特別栽培米や京野菜の生産をしている若い新規就農業者も多く、受け入れている農業法人の経営者や、地元の海産物を生かして高齢者が中心となって特産物をつくり販売しているNPO代表、高齢者の輸送サービスや福祉事業を手がけているNPO代表など、地域づくりの担い手がたくさん集まり、元気な活動報告をされていました。また、討論のなかで、山と川と海がつながって、天橋立をはじめとするこの地域ができあがっているのであり、個別の分野だけではなく、それぞれが横につながって、森林や海の保全も含めて地域をつくっていく必要があるのではないかという発言も出て、地域の認識が一気に深まった、中身の濃い集会になりました。

 地元も人たちからは「少しは聞いていたけど、初めて実際の話を聞いて感動した」という感想が返ってきていましたが、地域づくりは、単にお金もうけのためにおこなうのではなく、地域全体の未来を考え、「宝物」を生みだす創造的な、魅力あふれる人々のつながりを構築するとりくみであり、だからこそ人間としての共鳴や感動を呼び起こすわけです。せっかくのシンポジウムを1回きりに終わらせず、その成果を記録としてまとめて地域に普及し、「宝物」の担い手同士の横のつながりをいかに日常的につくっていくかが、次の課題となります。

次回・・・地方自治体による「宝物」探しの支援

20 . August
地方自治体による「宝物」探しの支援

 そのように考えていくと、地域の全体を把握するとともに、行財政権限をもって、独自の施策を系統的に展開できる地方自治体の役割は、極めて大きいと言えます。それは、地域の「宝物」探しにおいても、当てはまります。

 長野県栄村をはじめとする過疎地の小規模自治体では、1980年代から地域づくりに熱心にとりくんでいますが、そこでは地方自治体や地区公民館などがリーダーシップを発揮した「宝物」探しが、おこなわれてきています。

 大分県の平松守彦知事が提唱した「一村一品運動」も有名です。文字通り、自治体ごとに一つの特産品をつくり、それを東京市場だけでなく海外にも販売することをめざし、県も積極的に支援しました。その成功例として、1社だけで300億円を超える販売額を記録した焼酎メーカーがあります。しかし、その原料の調達先を調べると、ほとんどすべてが海外からの輸入品でした。これで、果たして地域が「活性化」したと言えるのでしょうか。地域の農家から調達しておれば、その焼酎の波及効果は地域の中に大いに広がっていたことでしょう。けれども、そうならなかったわけです。

 運動が開始されて20年以上経過し、地域づくりが今も継続して展開しているのは、「一村一品運動」を始める際にモデルとなった大山町(現在、日田市)と由布院(現在、由布市)など、ごく少数の地域です。それらの地域に共通しているのは、地域内の多くの経営体がネットワークを組みながら多品種少量生産をおこない、決して少数の企業体の「一品」のみに依存していないことです。

 これによって、お金が地域内に循環し、一社のみではなく、多数の経営体や住民に経済的利益が行き渡り、地域内再投資力が大きくなる仕組みがつくられています。

 一方、自治体が地域の担い手づくりをおこないながら、「宝物」の発見を支援しているところもあります。

次回…波田町の産業育成塾
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