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02 . May
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29 . February
今回は『なりわい』が求められる社会の事情を見てみます。名付けて「なりわいの社会学」が今回のテーマです。

社会学とは現実の社会の動きを説明する理屈(論理)を打ちたて、その説明によっていかにも「なるほど」と思ってもらう学問とされます。社会学のテーマは無数にあります。それぞれが「これは面白い社会現象だ」と思えば、○○社会学と命名することになるようです。例えば消費に関心があれば消費社会学、都市に関心があれば都市社会学、犯罪に関心があれば犯罪社会学などなど(以下家族・産業・情報・マスコミ・集団・余暇・遊びなども)。

 そういうこどだから勝手に「なりわいの社会学」を名乗っても罰はあたりません。しかし社会学を名乗るには条件があるようです。その条件は①明快であること ②当たり前でないことです。

なぜなら「本当の知識は伝達できるものでなければならない。つまり、人にわかるように言い表すことができなければならない。しかも、何か言うに値すること、これまで知られていなかったことで、それを知れば知る前とは何かが違ってくるようなことがそこに含まれていなければならない」と言います(アメリカの社会学者ランドル・コリンズ「脱常識の社会学」)。

要するに偉そうに社会学と名付けるからには、分かりやすく、人をはっとさせることを言えと言うわけです。これから展開する「なりわいの社会学」がこの条件にかなうのは難しいですが、とにかく挑戦してみます。

次回・・・『なりわい社会学』成立の前提
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29 . February
なりわい社会学『成立の前提』

『なりわいの社会学』が成り立つには『なりわい』という言葉と行動が社会現象になっている必要があります。それも分析し理屈づけてもおかしくない程度に社会に公認された現象でなければなりません。

前回紹介したようにこの言葉は地域おこしのキーワードとしては注目されだしていますが、果たして社会現象とまで言えるのかと考えていると、テレビである女優さんがこの言葉を使ったのに遭遇しました。番組での自己紹介で「女優をなりわいとしている沢田亜矢子です」と言ったのです。女優業の業はなりわいと読むからこの言葉をつかったと思うのですが、あらためてこの言葉が「格好いい」言葉として復活しているのだなと実感しました。

 「女優」と「女優をなりわいとする」の表現の差異はどこにあるのでしょうか。前者はなりたてでも出演作品一作でも「女優です」だが、後者は自分がそれで身をたててきた、身体に染みついた職業への誇りが感じられることです。さらに女優である自分を客観視する余裕を感じさせる表現として格好いいのでしょう。「医師をなりわいとしている」「弁護士をなりわいとしている」「民商事務局をなりわいとしている」などの表現は、それで生計を立てている以上に、その専門性で一生の仕事としての誇りを感じさせる表現なのです。どんな商売でもなりわいとしていくには専門性が必要です。

次回・・便利と効率だけの社会の見直し
29 . February
なりわいの社会学『便利で効率だけの社会の見直し』

 しかし現在は専門性よりも変わり身の早さが重視される時代です。本当は高い専門性が必要とされ、社会には必要であるにもかかわらず、片隅に追いやられて後継者不足で消滅の危機にあるなりわいがたくさんあります。左官、大工、ふすま職人、建具師など枚挙にいとまがありません。
しかしこれではいかんということに人々が気づきだしているから、「なりわい」と言う言葉が復活しだしているのだと思います。

 例にあげた左官や建具など住に絡む職人たちの仕事の本質は何で、彼らの社会的役割はどこにあるのでしょうか。それは家を呼吸する存在として守り続ける点にあります。家を呼吸する存在とするとはどういことでしょうか。季節が移り変わり寒暖・乾湿の差が大きく、全体に湿度が高い日本の気候には、建物が呼吸をすることが大事です。土壁や漆喰壁、ふすまや障子、材木や畳などはすべて1年中水分を吸収したり放出したりしながら、温度と湿度を調整し住む人の健康を守っています。健康を守るだけでなく冷房や除湿機・乾燥機などを不要にし、そのことによってエネルギーの無駄をなくします。健康や省エネ以外にもこの空間が心の安らぎをもたらす役割を果たしています。住に絡む多くのなりわいは本来日本にとって不可欠な存在だと見直されてきています。

 衣に関するなりわいも繊維の呼吸を大切にする仕事です。綿や絹、麻などの天然の素材からできた繊維は、繊維から衣服になっても呼吸をして、着る人に心地よい肌触りを保証してきました。これがまず栽培の段階で綿などは世界の化学肥料と殺虫剤の4分の1を使用するほど効率的な栽培に変わり、染色でも薬品付けにして呼吸をしない製品にしてしましました。

 大量生産が天然繊維の優位性をなくしてしまうと、あとは天然繊維の優位性よりも丈夫で長持ち、洗濯に強く、価格も安い化学繊維に取って変えられます。その結果がアレルギー物質への抵抗の閾値を高めアトピーの増大です。食でも事情は同じで本当に健康に必要な発酵食品をはじめ職人の活躍する分野が駆逐されてきました。こういうなかでその道の専門家のなりわいが忘れられ、この反省からなりわいとしての生き方が見直されてきたのです。
 
 いま教育が危機にあり、この危機の根底に画一化された社会の子どもたちにとっての展望のなさがあり、子どもたちの「使い捨てされる自分」「入れ替わり可能な存在としての自分」への不安があり、この不安が自分の役割を見いだしたい思いに駆らせています。その役割を求める思いが「なりわい」を復活させる社会現象となっているのです。

次回・・・脱画一化を『なりわい』に求める
29 . February
地域とひとへの現在の動き

 世界最大のスーパー資本ウォルマート(日本では西友を傘下にしている)がすべての店に次のような表示を始めたそうです。

「この店の売っているもので地元からの仕入は昨年はいくらになりました」「この店の州に払っている税金は昨年はいくらです」という表示です。

ウォルマートといえば全米の小売店売上の30%を占め、小売業だけでなく世界のあらゆる企業の売上ランキングでダントツの1位の企業です。(イオンの約10倍の売上)
 
 この企業のキャッチフレーズは「EDLE(エブリデーロウプライス=毎日が安売り)」で、Kマートをはじめライバルを次々と倒産させ大きくなってきました。商品はアジアや中南米の低賃金国で調達して、地元経済を破壊する企業だと批判の世論が盛り上がるなかで、こういう地元貢献度を表示する必要に迫られたのです。
 
いま日本のコンビニやスーパーなどでは店舗の効率を上げるために「死に筋商品」のカットに必死です。私も文房具を探しにスーパーとコンビニを回ったことがありますが、棚においてあるものは中身から包装まで全く同じものばかりで、それ以外のものはいっさい売っていませんでした。
 
 なりわい商売は地域に密着した商売だから売れる頻度が少なくても必要なものは置いておきます。近所の障害者や少しでも違うところがある人のための商品は必要なら必ず置いておく、こういう地域貢献が求められるのではないでしょうか。皮肉なことにスーパーが死に筋としてカットしてきた商品を集めたのがホームセンターだと言われます。なりわいの社会学ではこのような地域、ひとのあり方での商売に着目していきます。

次回・・・コンセプトということ
29 . February
 コンセプトということ

なりわい商売では品揃えに当然限りがあります。色・柄・価格帯・それ以上に商品の範囲をどこまで広げるか、当然絞りこまなければならないのですが、この絞りこむときに必要なのがコンセプトという考え方です。コンセプトとは考え方の基本です。

「うちの店のコンセプトは」とは「うちの店はこういう考え方でしている」ということです。店のコンセプトは三つからつくります。

①主な客層の設定。
②その客のどういう欲求に重点を置くか、
③その欲求を満たすものは何かです。

例えば

①を若い女性、
②を癒しとすると、
③は癒すものは何かとなります。

そうすると色は暖色系に絞られ、素材が大事になり、デザインもかわいさ重点というコンセプトができます。こうした絞り込みによって大きい店以上に深い品揃えで勝負できることになります。品揃えは小売だけでなく飲食・サービス・製造などあらゆる業者で必要な考え方です。その場合にコンセプトの明確化が求められます。

次回・・・『なりわいの経済学』 なりわい経済学とは
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