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02 . May
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29 . February
自営業研究者 三方 良(みかた りょう) さんのレポートです。

今なぜ「なりわい経営」か

「 なりわい経営」とは第1に生業ではないが家族中心の「小の経営です」。経営で小が大に負けないためには非価格競争と言う土俵で勝負しなければなりません。値段と広い品揃えでは勝てないのだから、それに代わる特色をいかに出すかという問題になります。この連載ではこの点を第1にレポートしていきます。

 第2になりわい経営は人優先の経営、「人間復権の経営」です。なりわいが見直されている原因の一つは現代社会の行きつまりであり、効率を追い求め人の存在を忘れることにあります。それが現代の出発点である近代に戻って社会や生活を見直そうという「なりわい」への注目につながっています。現代はなぜ人を忘れるほど効率に走っているのか。それは成長経済の下では効率での競争がすべてだからです。成長経済が終わり成熟経済に入ると、企業の競争は効率などの量の競争から質の競争に変わります。その質の中心に人が本当に満足するほんものやこだわりが求められ、非価格競争で小が大に勝つ展望が生まれてきます。
 ヨーロッパでは70年代から社会は成熟段階に入り、それとともにスモールイズビューティフルが社会の風潮となり、80年代から中小企業(従業員250人以下)が増え、とりわけマイクロ企業(従業員9人以下)が増えています。日本は2~30年近く遅れ経済は成熟段階に入りつつあります。ところが日本では成長経済が大きすぎたことから中小企業の多くが大企業の下請や系列で、コストや効率の量の競争においまくられ質の競争への転換のための、自らの経営を差別化する非価格競争の準備が整っていませんでした。この連載では第2に日本のマイクロ企業とも言うべきなりわいの人優先の経営をレポートしていきます。

 第3になりわいの特徴である地域密着の経営です。民俗学の生業研究でもなりわいと地域の関係が重視されます。例えば琵琶湖の堀を巡るなりわいが挙げられます。琵琶湖には水運のため多くの堀があります。この堀にはすぐに水草が生え泥がたまり船が通れなくなります。この堀の浚渫を水運業者ではなく近所の農家が毎年します。農家は堀の藻や水草、泥を浚渫し田に入れ肥料にします。こうした田の土は3~50年で入れ替えますが、水運業者がこれを瓦業者に運び瓦にします。このようになりわいは地域で相互に結びつき人の暮らしを支えてきました。このような例は養蚕のさなぎ→さなぎを餌に養鯉→鯉が水温を上げ害虫を食べ糞が肥料となり稲作など各地になりわいを生んできました。
 
 なりわいは地域の特性、地域の資源と結びついて成り立ちます。いま流行の地産地消やスローフード(ゆっくり食べるではなく地域の素材を生かした料理文化の食生活)だけでなく、この連載では、高齢社会での役割にスポットを当て、なりわいの経営を見ていきます。

次回・・・・『なりわいの原点は三方良し
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