規制緩和と大企業病の広がり
一方、小泉内閣による規制緩和の結果、ホリエモンや村上ファンドの「成功物語」がもてはやされることで「拝金主義」がはこびりました。
けれども、お金をもうけることが唯一の社会的価値という風潮のもとで、人間の命をないがしろにしたJR西日本尼崎脱線事故や、耐震強度偽装事件、多国籍企業として急成長したシンドラーエレベーターによる殺人事件、トヨタやパロマによる意図的な故障隠し、不二家による食の安全性を無視したずさんな食品製造問題などの大企業による不祥事が続発しています。
人々の生活を便利にするはずの手段が、もうけ第一で行動する大企業の非人間的行動のために、人の命を奪う手段に代わっているのです。
このようなことは、顧客と直接向き合って、また地域住民としての日常的な触れ合いを通して信頼関係を築きながら、日々、モノやサービスを販売している良識ある中小企業・個人経営者には考えられないことです。まさに、顧客の喜ぶ顔をみるよりも、短期的な利益確保に走ろうとする、雇われ経営者やどうぞく経営者が引き起こした大企業病と言ってよいでしょう。
次回・・・急速に失われるものづくりの力