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02 . May
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29 . February
どちらが先か中小企業と大企業

 
今回は理論問題の最後、「なりわいの中小企業論」です。ここで問題。中小企業と大企業はどちらが先にうまれたか?答え、中小企業が大きくなって大企業になったのだから当然中小企業が先。ブー間違い。正解は大企業が先。何故ならば「中小」という呼び名は大があってはじめて成り立つ、つまり「大」があって「大」でないものが「中小」とうことになったのだから大が先。事実、中小企業論という学問は大企業が生まれて後にできた学問です。だから中小企業論はその生い立ちからしても大企業との関係で中小企業の問題を論じなければなりません。

 大企業体制の下での中小企業の問題点は何か、その問題克服のために何が必要かを研究するのがこの学問の本来の姿です。ところが日本ではこの20年ほどの間に中小企業論はまったく様変わりしてしまいました。大学進学率が飛躍的に上がり新設大学が急増して、こうした大学で中小企業に就職する学生が増えてきます。そこで大学での中小企業論を教える講座が増え、教官もこの20年で倍にもなりました。その授業は中小企業の問題点を教えるよりも明るい展望を教えた方が学生は喜ぶことになります。こうして中小企業研究者の間で中小企業は大企業との関係で構造的に困難なのではなくて、経営者がやる気(イノベーション)になればうまくいくのだという考え方が増えてきます。このなかで1999年に、大企業と中小企業の格差是正をはじめとする国の中小企業政策の責任を放棄する中小企業基本法の改正が元中小企業学会会長を中心とすにすすめられるまでになりました。

次回・・・ベンチャーか「なりわい」か
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29 . February
ベンチャーかなりわいか

こうした状況のなかで、世界の中小企業研究は二つの方向に分かれることになりました。それはベンチャービジネス(極小企業)に中心をおく欧米の傾向です。ベンチャービジネスとは和製英語で冒険と投機と賭けの商売とでもなります。この賭けに勝つわずかな企業に中小企業の展望を見ようとする学問です。

日本ではこの間、戦後3回目のベンチャーブームが騒がれましたが、その中身に実体はなく「ベンチャーブーム」はなく、各省庁の予算獲得のための「ベンチャー支援ブーム」だという声まででる始末です。一方、マイクロビジネスは従事者9人以下(EU以外では5人未満の国もある)の企業がヨーロッパで増えており、小企業(従業員10人以上49人以下)よりも小さな企業です。マイクロビジネスの従業員規模は平均2人で、ほとんどが家族経営で「なりわい的」性格を持ちながら、1988年以降雇用に対する貢献率で小・中・大の企業を上回ります。これには経済成長の時代が終わり量産型企業が人を減らすなかで、人を増やさないが減らしもしないマイクロビジネスの雇用面での優位性が表れています。

 マイクロビジネスへの理論的関心は1973年の石油危機の年に出されたシューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」という本が環境問題と豊かな人間性を取り戻す上で、小ほどふさわしいものはないと訴えたことから始まります。75年には日本でも有名な経済学者ガブルレイスも経済のサービス化とデザインなど製品の芸術的価値の必要性の高まりのなかで、それを実践できる個人企業の役割を強調するようになりました。(「経済学と公共目的」)。こうした理論的予見を裏付けるのが80年代後半のドイツやイタリアでの家具・織物・皮革・精密機械・測定機などでの業界の動きです。これらの業種では芸術性や感覚性、精確性を発揮する上で、大量生産にはない優れたクラフト(職人)型企業が注目されます。これらの企業は受注が増えても決して規模を大きくせずに、地域でネットワークを組みながら国際競争力のある産地を形成しているのです。

次回・・・中小企業論からみた『なりわい』
29 . February
中小企業論からみたなりわい

 マイクロビジネスはなぜ規模を大きくしないのでしょうか。それは一流レストランと同じ論理によります。三ツ星レストランがひとりのシェフの存在で信用をかちとり、客はそのシェフを信頼して高い料金を払います。同じようにマイクロビジネスではシェフである経営者の技術の信用がその企業の技術力の水準だと信用されます。そのためにはひとりが目配せできる規模が重要になります。

こうした考えた方は小企業ほど技術や経営の近代化が遅れた存在だという根強い近代化信奉論がはびこっている日本と好対照となっています。ヨーロッパのマイクロビジネス論では現在の知識化価値の競争にとってのマイクロビジネスの優位性を強調します。自分の考えやアイデアがすぐに実現できる環境をマイクロビジネスは保障し、社会の発展にとって不可欠な存在として、EU加盟国全体にその支援を義務付けています。

EUはマイクロビジネスが伸びる客観的条件についても技術と市場のマイクロ化で説明しています。技術についてはME(マイクロエロクトロニクス)化がパソコンと結びついて求められる技術の割に投資の規模を小さくしていること、市場もこだわりを求めてマイクロ化していること、さらに地域の生活者と結びついた小さな市場の大切さと、マイクロビジネスの小さな弱点を支えるネットワークの発達も重視しています。

次回・・・小が大と中に勝つ非価格競争の条件
29 . February
小が大と中に勝つ非価格競争論

日本では市場競争では大が強く、その次に中が強く、小と極小はまともに競争せずにすき間(ニッチ)でいきるしかないという考えが広くあります。とりわけ経済産業省はこのニッチ産業論が大変好きなようです。しかしすき間はあくまでもすき間であって、最初猫が通る広さのすき間でも、そのうちねずみのすき間になり、ゴキブリしか通れないすき間にされてしまいます。

第一すき間産業というのでは小の社会的役割は見えてきません。小企業はもっと正々堂々と大や中の企業と勝負して勝つ存在でなければなりません。このことを明らかにするのが市場での非価格競争の理論です。非価格競争は価格競争とどう違うのか。

価格を決める原価には固定費と変動費の二通りがあります。固定費とは月々の給料や家賃、一般経費のように売上が変わっても変わらずに必要な経費です。変動費は材料や外注、アルバイトの人件費など売上に比例して増減する経費です。売上の少ない小は固定費が売上単位あたりにたくさん按分されて高くつき、変動費でも仕入れの値引きを受けることは少なくなります。そのために普通の経済法則では原価の低い大が小に勝つということが法則化されることになります。

この法則を打ち破るのが値段以外で勝負する非価格競争の理論です。そしてこの価格以外の競争条件の比重はますます増えてきていると見るのが非価格競争の理論です。

次回・・・ストアブランドで小が勝つ
05 . March
ストアブランドで小が勝つ

 小売業にはストアブランドというものがあります。『あの店で売っている品物だから安心だ』という店のブランドのことです。昔は消費者が商品を買う場合にこれが中心でしたが、メーカーからの商品情報が直接消費者に届くことが普通になり、小売店での競争は価格競争とポイントなどのアフターサービス競争だけの状態に追いやられ、ストアブランドはその存在さえ消えかかっているのが現状です。しかしストアブランドは復活する傾向にあります。

例えば人が強いこだわりを持つ美や健康に絡む業種では『気に入った店』は値段では決まりません。

特に自然の恵みである食料品は産地によって気候や地味が違い品種は同じでも全然味が違います。産地もおいしいものは昔から取引している、値打ちのわかる店に買ってもらうと値が通り、優先的に卸されることになります。野菜でも魚でも本物の味への関心が高まり、安心と安全へのこだわりが強くなれば、それを消費者は店の信用に求め、あの店のものはおいしいと、そこで買わざるを得ないのです。

そういう意味でスーパーと情報化がなくしてしまったストアブランドを大事にした店がよみがえることは十分にありうることです。

次回・・・非マニュアル化で勝つサービス
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