高齢者も大きな役割を果たす②
栄村では、雑穀生産だけではなく、「ねこつぐら」づくりや手打ち蕎麦づくりなど、いろいろなところで、高齢者の方々が生き生きと働いておられます。ちなみに、05年の国勢調査によると、高齢者のうちで就業している人の比率は、長野県が30%と全国トップですが、栄村は47%で県内第4位の高さになっています。しかも、長野県は1人当たり老人医療費が全国最低であり、栄村は県内第6位の高齢化率であるにもかかわらず、県平均の老人医療費を下回っているのです。これには、下駄履きヘルパーの活躍などによるきめ細かな在宅介護サービスも大きく貢献しているといえます。ヘルパーの話については、次回にあらためて述べてみたいと思いますが、右の数字は、栄村の高齢者の多くが、地域づくりの現役として活躍しており、しかも健康に暮らしていることを示しているといえます。
さらに、高齢者が働きやすく、生活しやすい環境を、村が住民とともにつくってきていることも重要です。田直し事業は、高齢化率が60%を超える農家でも借金が出来る負担額に抑えられていますし、整備された水田での高齢者の農作業が楽になるように機械の導入への支援がおこなわれたり、あるいは軽量野菜など労働負担が少なく有利な価格で売れる農産物生産を奨励しています。
加えて、雪害対策のために、融雪型屋根への改良のための融資制度や、集落単位での生活道路の改良、流雪溝などの改良工事を補助しているうえ、雪害対策救助員という冬場だけの公務員をおいて、ひとり暮らしの高齢者など急を要する住宅の除雪に直接職員を派遣しています。これは、建設業従業者などの村民の冬場の仕事づくりでもあります。昨年の大豪雪の際に、この救助員が大活躍しました。近隣の自治体では、除雪のための補助金制度を設けていたのですが、人手不足のため作業賃金が高騰し、お金があっても、除雪してもらえず、不安な日々を過ごした村民が多かったのですが、栄村では、いつもの冬と同じく、雪害対策救助員が困っている家に急行して、被害を出さないことに成功しています。
村は何よりも村民の命とくらしを守るためにあり、しかも、地域の現状にあった知恵を出すことによって、雪害対策だけでなく、冬場の就業機会の創出も可能な制度を生み出すことができているといえます。
次回・・・高齢者も大きな役割を果たす③
PR