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02 . May
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14 . April
 今回からなりわい経営の具体的な話に入ります。

 経営はヒト・モノ・カネのバランスだとされますが、なりわい経営は1にヒト、2にモノ、3・4がなくて5にカネの経営です。つまりカネ(価格)での競争力は弱いものの、ヒトとモノでの競争力、非価格競争力が強い商売ということ言うことになるのです。カネでの競争は言わば客を呼びこむ入り口での競争力です。ヒトの競争力は店の中での競争力、モノに至っては店を出て消費しだしてからの競争力と言えます。

 このもっとも分かりやすい入り口での競争で負けて、内容での競争に入れずに苦労しているのがなりわい経営なのです。しかも中途半端に価格競争に巻きこまれて品質と店の特徴をなくして失敗する人が多いのも事実です。

カネ・価格面では安ければいいという時代は過ぎました。この競争ではリーズナブルでいいのです。それよりも小の経営が得意とするヒト・モノでの非価格競争力に磨きをかけることが大事です。しかしヒト・モノでの競争の優位性がなりわい経営であまり自覚されていないケースが多いのではないでしょうか。

 そこで今回はこのヒト、モノでの競争力とはどういうことか、実践を交えながらみていきます。

次回・・・ヒトの非価格競争力 その1『わが店を愛する』
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21 . April
ヒトの非価格競争力その1『わが店を愛する』

 なりわい経営、小の経営のヒトの要素が大きいのは間違いありません。規模が小さいだけに経営者とその家族の人柄が前面に出ざるを得なくなり、店や工場の特徴を決定づけることになるからです。ヒトの要素の大事さを表すのに取材のなかでこんな話がありました。

 人口6万人強の小さな町の駅の裏通りのお風呂屋さんはしっかりと街に溶け込んで頑張っています。ここでは今でこそ多くの同業者が使いだしている軟水化装置を早くから使ったり、廃油を利用できる設備にしたりなどモノについてはさまざまな研究をしてきました。しかしこういうアイデアや工夫は先行者利得はあってもすぐに競争集団に追いつかれてしまいます。しかし絶対に集団に巻き込まれず、それどころか時間がたつほど競争優位を拡大できる方法があるのです。それはクリーンネス、掃除です。客商売で掃除は恐ろしいもので日々の積み重ねが必ず差になって出るものです。普段はきれいにしているつもりでも一回汚れたところが客の目にはいったら、これまでの積み重ねはパーになります。つまり地道に積み重ねたこの印象の差は、なかなか追いつけるものにはならないのです。

 この風呂屋さんでは営業が終わった夜中3時ごろから毎日納得するまで自分で風呂の隅々まで手で磨き、掃除します。このことは創業して40年欠かしたことがありません。この店を愛する強い気持ちが優れた非価格競争力となって営業を支えているのです。この間スーパー銭湯が近所にできましたが、その影響も1年で乗り越え売上を回復し逆に増やしています。今でこそクリーンネス意識はかなり高まりましたが、ほとんどのチェーン店にはそれは不可能です。せいぜい月何回かの業者への注文です。なりわい経営はこの風呂屋さんのように自分の愛情をいくらでも店につぎ込めるのが強みです。

 昔、ミスタードーナツの1号店(大阪箕面市)がはやっているのに閉店したことがありました。それは店の掃除への従業員の意識が追いつかないことが理由でした。もちろんミスタードーナツはダスキンの子会社だということもありますが、チェーン展開でも掃除はそれほど大きな競争力になるわけです。小さなことのようですが店のつくりや飾り付けに愛情と気配りがあふれ、お客さんがほっとする空間であることがなりわい経営の出発点だと思います。
30 . April
その2『マニュアルに勝つ接客』

 ヒトの面の非価格競争力で小が大に勝つのはそんなに難しくありません。それどころか普通で絶対勝てるはずです。なぜなら接客・サービスを明らかにマニュアルでおこなっているのと、そのヒトの言葉が表情を伴っているのでは大きな差が出るはずだからです。しかしこの差を優位にしきれていないところが、あまりにも多いのではないでしょうか。

筆者の近所に市場をセルフ方式にして大変頑張っているところがあります。品物の良さで近所に何軒もあるスーパーを逆に食っています。元市場だけに各部門の売り場ごとに商人がつき商品の加工と補給、接客サービスをしています。ほとんどの部門ではセルフらしく目立たないように接客をしていますが、魚部門だけは目立ちすぎ客がじっくり品定めができない雰囲気になっています。鮮魚はその日の仕入れはその日に売るのが基本ですから積極的な接客をするのですが、それではセルフにする意味がありません。

接客で難しいのは人との距離のとり方です。じっと立っているだけではうっとうしい、声をかけすぎると追いやってしまう、いつも自然の動きをしながら客が呼び止めやすい状態、この微妙な感覚がセルフでは必要なのです。この接客サービスは普通自然にできるほど簡単ではなく、接客の間合い・ころ合い・ころ合いはもっと研究されていいことだと思います。

 この接客を非常に研究している人の話です。例えば、『いってらっしゃい』『いってらっしゃいませ』、喫茶店で朝のお客さんを送る言葉です。前が主人、後ろが奥さんの言葉です。この言葉をどうするかも夫婦の間で相談します。丁寧さと自然さと親しみをどう表現するか、言葉というものは難しいもので、マニュアルのチェーン店にないものを追求するなかでのひとつの工夫です。

店は詰めつめで椅子が20脚ほどの小さながら、年間の客数は昨年で2万9000人、1日に120人以上にもなります。開業して7年ですが客は増え続け、去年は一作年より1200人も増えました。「マニュアルのチェーン店にまけない」という意識でデジカメで撮ったランチの写真を入れて、手づくりのメニューなどポップにこだわり、それもしょっちょうリニューアルして親しみを強調しています。適度な親しみを演出することで客の好みをを引き出し、嫌いな野菜を抜いたりしてリピーターを確実に増やしています。

民商の経営対策部長ということらしいですが、『マニュアルのチェーン店には負けないはずだ』というのがこの人の確信のようでした。

次回・・・モノの非価格競争力その2『ほんもの』
16 . May
モノの非価格競争力その2 「ほんもの」

 話を聴いた人の中に焼き鳥やさんが2軒ありました。1軒は商店街の中の15席ほどの店、あと1軒は住宅地でのかなりゆっくりとした店です。両方とも全国の地鶏を食べ歩き、これはと思う産地からいい鶏を仕入れ、丁寧に料理して客に出しています。商店街の中の方はちょっと高級な赤提灯で最初から中間管理職のサラリーマンが来てくれたらと思って店をだしましたが、実際には地元の客が主になっています。

住宅地の店は広く清潔で駐車場も完備し家族連れでにぎわい、予約客も増え客単価もびっくりするほど上がっています。感想は味にこだわり、開店まで研究を重ね、鶏だけでなく食材すべてにこだわり、下ごしらえを丁寧にするなかで、値段の高さの心配を吹き飛ばしていることです。

 いま居酒屋業界は価格競争が激しく、そのあおりで大手チェーン店も味を落として客離れが起こっています。そのなかで多くのチェーン店は個室による差別化と価格のリーズナブル化で巻き返しを図っています。しかしサラリーマンの仕事が忙しくなり、帰りに一杯というのも回数が減っています。そうなると地元の人や一定年齢層の家族連れが中心にならざるを得ません。家族連れは、安くてまずい店にわざわざ行くわけがありません。家庭では味わえないぜいたくを演出してくれる『ほんもの・こだわり』の店への期待は確実に強まっているのではないでしょうか。そしてこの『ほんもの・こだわり』こそ、なりわい経営のモノの面での圧倒的な競争力になるのです。

次回・・・窮地に活の一手
29 . May
窮地に活の一手

 もうどうしようもないと思われる業種で生き残る道の例を示すほど頼もしい道はありません。

 例えば、眼鏡屋、安売りチェーンの影響で圧倒的に大変なところが多いと思っていました。ところがこの眼鏡業界で小さな、しかも店のつくりも外装がブリキという、いまどきあまりない店が元気に商売をしていると聞いてびっくりしました。

この人はお客さんの相談に、とことんのります。そして眼鏡に対するお客さんの要望が眼の悪さの補正だけでなく、さらにファッションにあることをつかんでいます。それも人と同じでない自分だけのファッションを望んでいることも分かっています。

このなかで世の中、親から与えられた顔をなんとか輝やしたい人はたくさんいる、その顔に堂々とつけても誰も文句を言わないのが眼鏡である、それであればその人を引き立てる眼鏡選びに本当に熱心になろうと商売を続けています。

いまでは『お客さんは遠くから口伝えできてくれる』『芸能人もきてくれる』とのこと。どんな商売でも窮地に活を見いだす手はある事例です。

次回・・・ヒトの非価格競争力その3
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