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29 . February
ベンチャーかなりわいか

こうした状況のなかで、世界の中小企業研究は二つの方向に分かれることになりました。それはベンチャービジネス(極小企業)に中心をおく欧米の傾向です。ベンチャービジネスとは和製英語で冒険と投機と賭けの商売とでもなります。この賭けに勝つわずかな企業に中小企業の展望を見ようとする学問です。

日本ではこの間、戦後3回目のベンチャーブームが騒がれましたが、その中身に実体はなく「ベンチャーブーム」はなく、各省庁の予算獲得のための「ベンチャー支援ブーム」だという声まででる始末です。一方、マイクロビジネスは従事者9人以下(EU以外では5人未満の国もある)の企業がヨーロッパで増えており、小企業(従業員10人以上49人以下)よりも小さな企業です。マイクロビジネスの従業員規模は平均2人で、ほとんどが家族経営で「なりわい的」性格を持ちながら、1988年以降雇用に対する貢献率で小・中・大の企業を上回ります。これには経済成長の時代が終わり量産型企業が人を減らすなかで、人を増やさないが減らしもしないマイクロビジネスの雇用面での優位性が表れています。

 マイクロビジネスへの理論的関心は1973年の石油危機の年に出されたシューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」という本が環境問題と豊かな人間性を取り戻す上で、小ほどふさわしいものはないと訴えたことから始まります。75年には日本でも有名な経済学者ガブルレイスも経済のサービス化とデザインなど製品の芸術的価値の必要性の高まりのなかで、それを実践できる個人企業の役割を強調するようになりました。(「経済学と公共目的」)。こうした理論的予見を裏付けるのが80年代後半のドイツやイタリアでの家具・織物・皮革・精密機械・測定機などでの業界の動きです。これらの業種では芸術性や感覚性、精確性を発揮する上で、大量生産にはない優れたクラフト(職人)型企業が注目されます。これらの企業は受注が増えても決して規模を大きくせずに、地域でネットワークを組みながら国際競争力のある産地を形成しているのです。

次回・・・中小企業論からみた『なりわい』
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