『個』を大事にする ~長野県栄村~
長野県栄村は、豪雪地帯と地域づくりで有名な山村です。この村で、1988年から村長を務めている髙橋彦芳さんは『個を大事にする』ことを理念にして、村づくりをすすめてきました。栄村も、高橋さんが村長になるまで、国や県の言うとおりの農政や企業誘致政策を展開してきましたが、かえって農林業が衰退して過疎化が進行、村民は元気を失っていきました。
髙橋さんは、国や県の猫の目のように変わる政策に追従するのではなく、足元の地域の個性を掴むことで、栄村にあった地域づくりのあり方を、住民とともに探っていきます。高橋さんは、村の職員でしたが、長年公民館職員として社会教育の分野で活躍していました。
そこで、青年や女性、農民の人たちと一緒に、栄村の自然や歴史、農林業の特徴などを学んだ経験がありました。村長になってからは、村外の専門家を呼ぶだけでなく、農家の廃屋を利用した『ふるさとの家』で村民とともに都市の人々と懇親を深め、栄村の長所や短所を学んでいきます。その成果は、地域の個性に対応し、しかも住民づくりに主体的にとりくんでいくユニークな村の単独事業に結びついていきました。
続く・・・『ココ学』を究める ~大分県・由布院~