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長野県栄村との出会い②

 1月そうそうに訪れた初めての栄村は、雪のなかでまぶしく輝いていました。調査で聞く話は驚きと納得の連続でした。 田直し事業と名づけられた圃場整備事業は、国の補助金事業でおこなうと10アール当たり200万円を優に超える事業費を、村単独事業でおこなうこよにより、40万円に圧縮し、しかもそのうち20万円を村が支援するというものであり、工事は村の建設業者にオペレーター契約で発注するというものでした。
 詳しくは、次回に改めて述べたいと思いますが、下水道整備事業も、生活道路整備事業も、できるだけ村財政や家計の負担を減らしながら、村内の業者や住民に仕事をまわし、所得を増やすことが目的とされていました。高橋彦芳村長は、これを「内部循環型経済」という言葉を使って表現しています。

 栄村では、戦前から企業誘致政策や国の補助金事業による公共事業をおこなってきましたが、それによって村民が豊かになることはなく、むしろ過疎化が進行したり、財政的に厳しい状況になっていました。これを反省し、足元にある地域の個性を大切にし、一人ひとりの住民の生活の向上を第一にした政策へと転換したのでした。

 第3セクターである栄村振興公社の経営方針もユニークでした。村の生産者(団体)がつくる特産品や加工品を、手数料なしで買い入れ、販売するというものでした。また、公社が経営する宿泊施設では、村内の農家がつくる食材を買い入れるだけでなく、お酒などの飲料も定価で村内にある複数の酒屋さんから順番に購入していました。

 世間では、バブル崩壊後の第3セクター会社の経営破たんが相次いでおり、「そんな事をしていると赤字になってしまうのではないですか」と思わず聞いてしまいました。

 これに対して、公社の担当者の方は、「村長はじめ私たちは、公社は公益事業としてやっているのであり、住民の利益になるなら赤字になっても構わないという姿勢です。村の酒屋さんは、単に酒を売っているだけではありません。集落の中にあって、毎日、一人暮らしの高齢者が元気に過ごしているかをチェックし、異常があれば保健センターに連絡してもらうという、準公共的な役割を果たしてもらっています」と言い切りました。

 阪神大震災の折、下町の商店主やおかみさんが、崩壊したアパートの住民をいち早く救援し、 コミュニティーの核になっていたことを改めて思い出しました。さらに、後日送っていただいた公社の経営データを見て、さらに驚いてしまいました。村内からの調達率が7割を超え、住民1人当たりで 見ると20万円近くを毎日キャシュバックしている計算になるうえ、なんと単年度黒字経営だったのです。  

次回・・・地域経済の主役
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無題
補助金目当てに公共工事をするとかえってソンをするなんて知らなかった・・・・
Mさん / 2008/09/25(Thu) / 編集
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