今月のワンポイント 下請けとリスク管理
下請け制度は確かに不合理なものです。しかも日本にしかない独特の制度です。この不合理に反発するだけでは下請けはなくなりません。昔、哲学者ヘーゲルは言いました。「現実的なものは合理的であり、合理的なものは現実的である。」と。マルクスはここから資本主義は不合理だが存在する限り合理的だとみなして資本論の研究をしました。下請けも不合理ですが現に存在している限り合理的とみて、これに対抗する方法を研究しなければなりません。現に、これまでも述べてきたように下請けもかわりつつあります。リスクの分散のための下請けが増えています。これに対抗するには下請けの側もリスクの分散を図る必要があります。取引先は好不況の波の違うものを複数持つ。それができない場合にはいつでもカバーできるネットワークを大切にしておく。今で精一杯で余裕がないと決め付けないで、余裕はかちとるものの立場でリスクの下請けに対応することが大事です。
・・・完