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月刊民商のオススメ講座を紹介
02 . September
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14 . April
財界の『グローバル国家』戦略

 このような事態の中にあって、地域の再生をめぐって大きく二つの途が対立していると言えます。第1に、日本経団連に代表される財界です。

彼らは、96年以来、多国籍企業の活動を支援する『グローバル国家』論を提唱してきました。財界のトップも、かつての新日鉄から、トヨタさらにキャノンといった自動車・電機製品関係の多国籍企業に交替してきています。そのなかで、一方では憲法9条の改定による戦争ができる国づくりと『官から民へ』論を軸にした国家・地方自治体の『市場化』を強く求めています。

他法で、国土建設をめぐっては、グローバル競争に勝つための拠点開発については『選択と集中』によって公的資金を重点的に投入すべきであるという考え方です。また、社会的格差の問題については、御手洗新会長は『国際化の中で、能力や才能、努力によって生まれる格差はむしろ賞賛すべきこと』と就任記者会見で表明したことからもわかるように、重大問題としてとらえてはいません。

このような途を選択するならば、一部の多国籍企業だけが潤い、大多数の人間がないがしろにされる社会になると言えるでしょう。
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21 . April
ヒトの非価格競争力その1『わが店を愛する』

 なりわい経営、小の経営のヒトの要素が大きいのは間違いありません。規模が小さいだけに経営者とその家族の人柄が前面に出ざるを得なくなり、店や工場の特徴を決定づけることになるからです。ヒトの要素の大事さを表すのに取材のなかでこんな話がありました。

 人口6万人強の小さな町の駅の裏通りのお風呂屋さんはしっかりと街に溶け込んで頑張っています。ここでは今でこそ多くの同業者が使いだしている軟水化装置を早くから使ったり、廃油を利用できる設備にしたりなどモノについてはさまざまな研究をしてきました。しかしこういうアイデアや工夫は先行者利得はあってもすぐに競争集団に追いつかれてしまいます。しかし絶対に集団に巻き込まれず、それどころか時間がたつほど競争優位を拡大できる方法があるのです。それはクリーンネス、掃除です。客商売で掃除は恐ろしいもので日々の積み重ねが必ず差になって出るものです。普段はきれいにしているつもりでも一回汚れたところが客の目にはいったら、これまでの積み重ねはパーになります。つまり地道に積み重ねたこの印象の差は、なかなか追いつけるものにはならないのです。

 この風呂屋さんでは営業が終わった夜中3時ごろから毎日納得するまで自分で風呂の隅々まで手で磨き、掃除します。このことは創業して40年欠かしたことがありません。この店を愛する強い気持ちが優れた非価格競争力となって営業を支えているのです。この間スーパー銭湯が近所にできましたが、その影響も1年で乗り越え売上を回復し逆に増やしています。今でこそクリーンネス意識はかなり高まりましたが、ほとんどのチェーン店にはそれは不可能です。せいぜい月何回かの業者への注文です。なりわい経営はこの風呂屋さんのように自分の愛情をいくらでも店につぎ込めるのが強みです。

 昔、ミスタードーナツの1号店(大阪箕面市)がはやっているのに閉店したことがありました。それは店の掃除への従業員の意識が追いつかないことが理由でした。もちろんミスタードーナツはダスキンの子会社だということもありますが、チェーン展開でも掃除はそれほど大きな競争力になるわけです。小さなことのようですが店のつくりや飾り付けに愛情と気配りがあふれ、お客さんがほっとする空間であることがなりわい経営の出発点だと思います。
21 . April
地域に根ざした中小企業をはじめとする経済主体を中心にした地域再生

 では、実際に、地域経済や地域社会を支えているのは誰でしょうか。それは圧倒的多数の中小企業、個人経営者であると言えます。国や地方自治体が、1社に対して数十億円という補助金を支出する企業誘致競争が展開されていますが、企業の海外への進出は依然続いており、例え国内立地したとしても、取引や雇用を通した地域内連関が少ない大企業工場は、地域経済にそれほど貢献していないという実態があります。

 また、住民の命を大切にした人間らしい地域を系統的に創造する主体は誰かと問えば、地域の中小企業の優位性が浮かびあがってきます。しかも、安全・安心できめ細かい製品づくり、建物づくり、個人サービスを供給し、住民にも喜ばれているのは、単なる金もうけよりも仕事の質にこだわっている中小企業・業者、農家であることが分かります。

 さらに、グローバル時代に地域において持続的に生き残ることができるのは、個性のある地域経済づくりを展開できる中小企業であるといえます。グローバル競争が激しくなれば、どこでも作ることのできるモノを作ったり、どこにでもあるようなサービスをしている限り、より安い労働力を使える発展途上国と、破滅的な価格破壊競争にならざるをえません。その地域、経営にしかないモノ、サービス、あるいは観光資源をつくりだし、それを相互に交換すれば、大都市と農村、先進国と途上国が互いに共生できるようになります。このように、利益を求めて海外に簡単に移動する大企業ではなく、地域に根ざした中小企業や農家を主体にした、何よりも仕事や商品の質と人間的な暮らしが大切にされる地域経済、地域社会の再生が求められています。

次回・・・地方自治体の役割と主権者としての中小企業経営者・業者
30 . April
その2『マニュアルに勝つ接客』

 ヒトの面の非価格競争力で小が大に勝つのはそんなに難しくありません。それどころか普通で絶対勝てるはずです。なぜなら接客・サービスを明らかにマニュアルでおこなっているのと、そのヒトの言葉が表情を伴っているのでは大きな差が出るはずだからです。しかしこの差を優位にしきれていないところが、あまりにも多いのではないでしょうか。

筆者の近所に市場をセルフ方式にして大変頑張っているところがあります。品物の良さで近所に何軒もあるスーパーを逆に食っています。元市場だけに各部門の売り場ごとに商人がつき商品の加工と補給、接客サービスをしています。ほとんどの部門ではセルフらしく目立たないように接客をしていますが、魚部門だけは目立ちすぎ客がじっくり品定めができない雰囲気になっています。鮮魚はその日の仕入れはその日に売るのが基本ですから積極的な接客をするのですが、それではセルフにする意味がありません。

接客で難しいのは人との距離のとり方です。じっと立っているだけではうっとうしい、声をかけすぎると追いやってしまう、いつも自然の動きをしながら客が呼び止めやすい状態、この微妙な感覚がセルフでは必要なのです。この接客サービスは普通自然にできるほど簡単ではなく、接客の間合い・ころ合い・ころ合いはもっと研究されていいことだと思います。

 この接客を非常に研究している人の話です。例えば、『いってらっしゃい』『いってらっしゃいませ』、喫茶店で朝のお客さんを送る言葉です。前が主人、後ろが奥さんの言葉です。この言葉をどうするかも夫婦の間で相談します。丁寧さと自然さと親しみをどう表現するか、言葉というものは難しいもので、マニュアルのチェーン店にないものを追求するなかでのひとつの工夫です。

店は詰めつめで椅子が20脚ほどの小さながら、年間の客数は昨年で2万9000人、1日に120人以上にもなります。開業して7年ですが客は増え続け、去年は一作年より1200人も増えました。「マニュアルのチェーン店にまけない」という意識でデジカメで撮ったランチの写真を入れて、手づくりのメニューなどポップにこだわり、それもしょっちょうリニューアルして親しみを強調しています。適度な親しみを演出することで客の好みをを引き出し、嫌いな野菜を抜いたりしてリピーターを確実に増やしています。

民商の経営対策部長ということらしいですが、『マニュアルのチェーン店には負けないはずだ』というのがこの人の確信のようでした。

次回・・・モノの非価格競争力その2『ほんもの』
30 . April
地方自治体の役割と主権者としての中小企業経営者・業者

 その際、地方自治体が果たす役割が極めて大きいと言えます。現在、地方自治体の『市場化』がすすめられ、住民は地方自治体の『顧客』であるかのような考え方が広がっています。しかし、私たち住民は、地方自治体の『主権者』です。税金の使い方をはじめとする自治体の行財政を決定するのは住民にほかなりません。その財政規模からわかるように、地方自治体が地域経済に占めるウエートは大きく、その行政サービスを含めて地域内再投資力を強化拡充し、地域の持続的発展につながると言えます。それだけではありません。

 地方自治体が調達する商品やサービス、工事を、地域の中小企業に優先して発注すれば地域経済振興につながりますし、大手企業によるダンピングを放置すれば、逆の方向になります。さらに、地方自治体による税金や各種保険料、公共料金の負担政策や社会保障政策じゃ中小企業・業者の経営や生活に直接影響を与えます。このように、地方自治体の政策は、中小企業・業者にとって重要な意味をもっているのです。

 地方自治体の政策を、国に追随するような大規模プロジェクトや企業の誘致政策ではなく、地域に生活する住民『一人ひとり』の人生が輝くような方向に切り替えていくことが求められています。

 現に、全国各地で、そのような地域再生、地域づくりのとりくみが展開されています。県や基礎自治体で中小企業基本条例や地域経済振興基本条例を定めて、その地域に合った経済政策の展開をすすめようという自治体も増えてきています。少数の大企業の短期的な経済的利益のためにではなく、住民一人ひとりに視点をおいた地域づくりが現に存在していることに、私たちは大いに励まされます。

 次回以降では、各地でのとりくみを具体的に紹介していきたいと思います。地域づくりは難しいことではありません。それは人間としての個性を発揮できる楽しいとりくみでもあります。地域や日本の未来は、主権者である私たちがどのように地方自治体や国のあり方を変えるかに、かかっているといえます。

次回・・・地域づくりは、地域を知り、学ぶことからはじまる

 
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