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30 . August
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29 . February
なりわい経営学の法則(3)

量から質への経済へ

 
これまでの経済学は労働の量とか需給の量、限界量などの量を中心に扱ってきました。これからは量とともに出来上がった製品の人間にとっての心地よさとか、好ましく感じるとかの五感にとっての質が大きな役割を果たすことになります。

特になりわい経営の主戦場である衣食住の分野では質を重視したほんもの・こだわりの製品が求められます。とりわけ職人の損得勘定を乗り越えた、ものづくりの腕と情熱が見直される条件が開かれることになるでしょう。質の経済で大事なことは地域という見方です。

これまで経済学では国内取引、国際取引の区別はあっても、国内取引であれば誰と取引しても同じと考えられてきました。それが現在では誰と取引するかの質の問題が、貨幣の地域循環、地域経済への自立という点で大きな意味をもちだしているのです

次回・・・ほんものと消費者教育
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29 . February
ほんものと消費者教育
 
フランスのパンはおいしい、ドイツのソーセージはおいし、それはなぜか。

フランスではパンを家庭でみんなが焼いていて、ドイツではソーセージを自分で薫製する機械があるそうです。こうして消費者がほんものの味を知っているから、店で売るものの良さが分かります。店ではほんものをつくって値段が高くなっても消費者は納得して買います。

日本ではこの経験がないから、ほんものを売る業者は手ごたえ感じながらも商売としては苦労します。そこで必要なのは消費者教育です。本当は学校教育で消費者リテラシー(消費の文法)を教えたらいいのですが、マスコミが価格破壊で騒ぐような国では難しいでしょう。

そこで業者が教えていくことが大事になりますが、職人は人に教えることが苦手です。口での情報発信がダメなら今ではネットをはじめ、いろいろなものがあります。家族みんなで協力をして、やんわりとした消費者教育と気づかせないような情報発信が非常に大切です。

次回・・・なりわいの中小企業論
29 . February
どちらが先か中小企業と大企業

 
今回は理論問題の最後、「なりわいの中小企業論」です。ここで問題。中小企業と大企業はどちらが先にうまれたか?答え、中小企業が大きくなって大企業になったのだから当然中小企業が先。ブー間違い。正解は大企業が先。何故ならば「中小」という呼び名は大があってはじめて成り立つ、つまり「大」があって「大」でないものが「中小」とうことになったのだから大が先。事実、中小企業論という学問は大企業が生まれて後にできた学問です。だから中小企業論はその生い立ちからしても大企業との関係で中小企業の問題を論じなければなりません。

 大企業体制の下での中小企業の問題点は何か、その問題克服のために何が必要かを研究するのがこの学問の本来の姿です。ところが日本ではこの20年ほどの間に中小企業論はまったく様変わりしてしまいました。大学進学率が飛躍的に上がり新設大学が急増して、こうした大学で中小企業に就職する学生が増えてきます。そこで大学での中小企業論を教える講座が増え、教官もこの20年で倍にもなりました。その授業は中小企業の問題点を教えるよりも明るい展望を教えた方が学生は喜ぶことになります。こうして中小企業研究者の間で中小企業は大企業との関係で構造的に困難なのではなくて、経営者がやる気(イノベーション)になればうまくいくのだという考え方が増えてきます。このなかで1999年に、大企業と中小企業の格差是正をはじめとする国の中小企業政策の責任を放棄する中小企業基本法の改正が元中小企業学会会長を中心とすにすすめられるまでになりました。

次回・・・ベンチャーか「なりわい」か
29 . February
ベンチャーかなりわいか

こうした状況のなかで、世界の中小企業研究は二つの方向に分かれることになりました。それはベンチャービジネス(極小企業)に中心をおく欧米の傾向です。ベンチャービジネスとは和製英語で冒険と投機と賭けの商売とでもなります。この賭けに勝つわずかな企業に中小企業の展望を見ようとする学問です。

日本ではこの間、戦後3回目のベンチャーブームが騒がれましたが、その中身に実体はなく「ベンチャーブーム」はなく、各省庁の予算獲得のための「ベンチャー支援ブーム」だという声まででる始末です。一方、マイクロビジネスは従事者9人以下(EU以外では5人未満の国もある)の企業がヨーロッパで増えており、小企業(従業員10人以上49人以下)よりも小さな企業です。マイクロビジネスの従業員規模は平均2人で、ほとんどが家族経営で「なりわい的」性格を持ちながら、1988年以降雇用に対する貢献率で小・中・大の企業を上回ります。これには経済成長の時代が終わり量産型企業が人を減らすなかで、人を増やさないが減らしもしないマイクロビジネスの雇用面での優位性が表れています。

 マイクロビジネスへの理論的関心は1973年の石油危機の年に出されたシューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」という本が環境問題と豊かな人間性を取り戻す上で、小ほどふさわしいものはないと訴えたことから始まります。75年には日本でも有名な経済学者ガブルレイスも経済のサービス化とデザインなど製品の芸術的価値の必要性の高まりのなかで、それを実践できる個人企業の役割を強調するようになりました。(「経済学と公共目的」)。こうした理論的予見を裏付けるのが80年代後半のドイツやイタリアでの家具・織物・皮革・精密機械・測定機などでの業界の動きです。これらの業種では芸術性や感覚性、精確性を発揮する上で、大量生産にはない優れたクラフト(職人)型企業が注目されます。これらの企業は受注が増えても決して規模を大きくせずに、地域でネットワークを組みながら国際競争力のある産地を形成しているのです。

次回・・・中小企業論からみた『なりわい』
29 . February
中小企業論からみたなりわい

 マイクロビジネスはなぜ規模を大きくしないのでしょうか。それは一流レストランと同じ論理によります。三ツ星レストランがひとりのシェフの存在で信用をかちとり、客はそのシェフを信頼して高い料金を払います。同じようにマイクロビジネスではシェフである経営者の技術の信用がその企業の技術力の水準だと信用されます。そのためにはひとりが目配せできる規模が重要になります。

こうした考えた方は小企業ほど技術や経営の近代化が遅れた存在だという根強い近代化信奉論がはびこっている日本と好対照となっています。ヨーロッパのマイクロビジネス論では現在の知識化価値の競争にとってのマイクロビジネスの優位性を強調します。自分の考えやアイデアがすぐに実現できる環境をマイクロビジネスは保障し、社会の発展にとって不可欠な存在として、EU加盟国全体にその支援を義務付けています。

EUはマイクロビジネスが伸びる客観的条件についても技術と市場のマイクロ化で説明しています。技術についてはME(マイクロエロクトロニクス)化がパソコンと結びついて求められる技術の割に投資の規模を小さくしていること、市場もこだわりを求めてマイクロ化していること、さらに地域の生活者と結びついた小さな市場の大切さと、マイクロビジネスの小さな弱点を支えるネットワークの発達も重視しています。

次回・・・小が大と中に勝つ非価格競争の条件
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